御朱印旅紀行

全国の寺社を旅行して御朱印をいただいています。

松崎町御朱印ウォークとみなみの桜ライトアップ

 毎年2月に入ると伊豆方面に行くようにしています。

 この頃になると伊豆の方では有名な「河津桜」を始めとして、早咲きの桜が咲きだします。

 さらにこの頃になると伊豆は春の息吹が感じられるほど暖かくなりますので、東京からのこの時期の観光としては最適なのではないでしょうか。

 「河津桜」には一昨年に行きましたので、今回は西に向かい松崎町の御朱印ウォークをメインイベントに各地をまわる旅程といたしました。

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南伊豆までのドライブ

函南町「姫沙羅」で昼食

 東京から南伊豆へは新東名の沼津インターから伊豆縦貫道で向かうルートが最適です。

 この伊豆縦貫道は以前は沼津市の南側が起点でしたが、数年前に東名・新東名まで接続・延伸してとても便利になりました。

 以前は沼津市内を抜けるのに渋滞してとても苦労しましたが、いまではスイスイに行けます。

 午前中に東京を出ると沼津近辺で昼になりますので、いったん高速を降りて、なじみの函南町の「姫沙羅」で昼食を摂ります。 

 ここは新鮮な魚とウナギ料理がメインの日本料理店です。

 ここは地元の方でいつもそこそこ混んでいます。値段は少し高めですが、料理が美味しくて質も高いので、お気に入りのお店の一つです。

姫沙羅 (ひめしゃら) - 函南町その他/懐石・会席料理 [食べログ]

伊豆縦貫道が延伸していた

 ふたたび伊豆縦貫道に乗り南伊豆に向かいます。

 これまでは修善寺まで開通していましたが、2019年1月に月ヶ瀬ICまで5km延伸されました。

 たったの5kmと思われるかもしれませんが、体感としてかなりの改善です。

  同時に「下船原バイパス」という西伊豆に直結する道路も開通し、一気に便利になりました。

明徳寺参道のくさもち

 ここも南伊豆方面の定番スポットの一つです。

 明徳寺は「下の世話にならない」ご利益で知られるお寺として知られ、多くの参拝客を集めています。

 ここに以前、お参りして御朱印をいただきましたが、その時に食べた「くさもち」が大層美味で、それ以来常連になっています。

 最初の時にお寺にお参りせずに「くさもち」だけ買って帰る人が何人かいて、「門前の店なのにくさもちだけ買って帰る人がいるなんて」と不思議に思っていましたが、自分もそうなってしまいました。

 よもぎの成分が濃く、あんこも甘さも程よいので、いくつでも食べられるくらいの美味しさです。

 近くに「東京ラスク」の工場直売店もありますが、一休みするならば、こちらの「くさもち」ですね。

 さらにお土産用も買いました。

明徳観光センター - 伊豆市その他/和菓子 [食べログ]

 食べログにもほとんどレビューがない穴場ですが、本当に美味しいです。

天城越えをして南伊豆へ

 ここから浄蓮の滝を通り過ぎて南伊豆方面を目指します。

 「河津桜」でにぎわっている河津町を抜けて、ぐるっと回りこむ形で下田街道に入ります。(カーナビですと途中でショートカットする道を案内されますが、細くて険しい道ですので遠回りする正規のルートを使ってください。)

上原美術館を見学

 まずは下田市の上原美術館を見学です。下田市と言っても山側で海まではまだ距離があるエリアです。

 こちらの美術館は、かのリポビタンAで知られる大正製薬の創業者夫妻の作った美術館で、仏教館・近代館の2館で成り立っています。

 仏教館の方は一昨年来た時には改装工事中で、今回初の入館になります。

 当日は「伊豆の古刹 太梅寺の寺宝」という特別展をやっていましたので見学しました。

 常設展示の方は仏像がたくさんあったのですが、新しく作ったものばかりでしたのであまり有難みはありませんでした。

 函南町の「かんなみ仏の里美術館」のような展示物を期待していたのですが、ちょっとがっかりでした。

 ただし館内はとてつもなく綺麗です。

http://uehara-museum.or.jp/

下田セントラルホテルはすばらしいホテル

 宿泊は近くの「下田セントラルホテル」です。南伊豆ならばここしかないという程の素晴らしいホテルです。

 ここも上原美術館と同じ大正製薬の作ったホテルで、泊まった感覚として「お金に糸目はつけずに」作った感があります。

 建物や施設の石材や木材の材質からして、他のホテルなどとは少し違います。部屋のスパンや廊下の広さなどが一回りの二回りの広く、贅沢な気分が味わえます。

 このようなところはホテルのガイドブックなどには出ないところなので、普通はお金をかけるところではないのですが、「地元のために」作ったホテルなので妥協がないのだろうと思います。

 食事は地元の素材を生かした伝統的な中に革新を凝らした味も見た目も楽しめる料理で、いつもは早く食事を切り上げる私たちが珍しく長居してしまいました。

 また食事スペースもゆったりと作ってあるので、他のお客さんが全く気にならず食事できます。(以前泊まった時はさらに高いプランでしたので部屋食でしたが、食事処で充分です。)

 温泉も二本の源泉から直接引き込んでいますので、新鮮な素晴らしいお湯です。私は個人的に「酸性泉」の方が好きで、ここは多少「アルカリ」気味ではあるのですが、ここまで鮮度が良いと絶賛せざるを得ません。

 しかもこのホテルは規模のわりに宿泊できる部屋が少ないので、お風呂はとてもすいています。

 すばらしいお湯をゆったり味わえて最高です。

里山の別邸 下田セントラルホテル

「みなみの桜」を夜桜見物

 この時期の宿泊では、ホテルのサービスで専用のバスで南伊豆町の「みなみの桜」を夜桜見物に連れて行ってくれます。

 みなみの桜は南伊豆町の下賀茂温泉を流れる青野川沿いに咲く早咲きの桜です。

 菜の花とのコントラストが美しいことで知られています。このエリアは河津桜が有名ですが、こちらも負けず劣らず綺麗ですし、有名ではない分観光客が少ないのでゆったりと楽しめます。

 バスで下田の街を通り過ぎて、南伊豆町の下賀茂温泉まで40分くらいでしょうか。

 道の駅にバスを停めて1時間ほど「みなみの桜」を見学しました。

松崎町に向かう

 翌朝は下田セントラルホテルの前の道を西に向かい、松崎町へと車を進めました。 町では「御朱印ウォーク」と名して、御朱印客を歓迎してくれています。

 西伊豆の一番南側に位置する港町で、以前は栄えていたようで、なかなかの文化的な雰囲気も感じるところです。

道の駅「花の三聖苑」

 「道の駅 花の三聖苑伊豆松崎」は、松崎が生んだ三聖人の業績を中心に、松崎の歴史、文化を紹介する施設になっています。

 三聖人の一人「依田勉三」は十勝平野の開拓の先駆者としてその名が知られており、その前にテレビの特集を見ていたこともあり、興味深く見学できました。

 ここでは300円のアイスを買うと「花の三聖苑」の御朱印がいただけます。寺社のものでないので、スタンプラリーのようなものですが、せっかくなのでいただきました。

帰一寺

 このエリアを代表するお寺で、伊豆横道三十三観音霊場の第二番、伊豆八十八か所霊場第八十番の札所となっています。

 入り口からお寺に行くまでの道が激細で、車一台分しかなく、すぐに田んぼに落ちそうで緊張しました。

 本堂脇の家の玄関でベルを鳴らして御朱印対応をお願いしました。

伊那下神社と浄泉寺

 松崎の街中に入り、伊那下神社と浄泉寺に行きました。この辺りに松崎町の主たる観光地がそろっています。 

 伊那下神社は創建不詳の古社で新羅からの帰化人である猪名部一族に因んだ神社とされています。

 歴史と伝統のある立派な神社ですが、神社側の手作り感満載の造作物が残念な雰囲気を醸し出していて、少し興ざめしてしまいます。

 となりの浄泉寺は、浄土宗増上寺末で、応永年間に創始、江戸時代の安永9年に再建されたお寺です。

 伊豆八十八か所霊場第七十六番の札所となっています。

伊豆の長八

 江戸時代末期から明治初期に活躍した名工(左官職人)で、なまこ壁、鏝絵といった漆喰細工を得意としました。

 江戸で活躍していたので、その作品のほとんどは戦災等で焼けてしまっていまい、東京エリアでは泉岳寺など45点が残っているにすぎません。

 長八の故郷であるここ松崎町には、浄感寺の「長八記念館」に約20点と、1986年に開館した「伊豆の長八美術館」に約50点が展示されています。

 両方とも伊那下神社から歩いてすぐなので、車はそのままで見学しました。

 作品はどれも繊細で美しく、まさに芸術品です。

 当時はこういう素晴らしい才能を持っていても芸術家という職業はないので、あくまで左官職人として扱われていたということがわかります。

 それでもこれだけ名前が残っているのですから大したものだと思います。

伊豆の長八美術館の建物はまさにバブル

 長八の作品はともかく、建物がまさにバブルで、今にしてみるともはや「滑稽」としか言えません。

 怪しげな宗教団体の本部のような、大層な造りとデザインで、本当に一度見るべき建物かもしれません。

 大層な建物の割には、内部はあまり広くありませんし、ガラスの多くていかにも冷暖房効率が悪そうです。しかも内部に意味のない、格好だけの階段があり、現在のバリアフリーの発想から完全に逆行しています。

 こんなバブル全開の建物は都内ではかなり駆逐されていますが、こんなところに残っていたかと感慨深いものがあります。

 それもこれも、バブル期にこんな建物を発注してしまった自治体のせいであり、「伊豆の長八」のせいではありませんのでちょっとかわいそうです。

松崎町観光巡り

 その後に付近の松崎の街中の観光スポットを歩いてまわりました。

伊豆文邸⇒なまこ壁⇒中瀬邸 の順番です。

 中瀬邸は古い商家が、そのまま当時の姿が再現されており興味深く見ることができます。

 当時このような大きな「呉服店」が営業できていたということが、この町がかつて栄えていたことを示しています。

 また邸内のスペースに松崎町で行われた映画やドラマのロケの紹介がなされていて、山田孝之と綾瀬はるか主演の「世界の中心で愛をさけぶ」で使われた自転車などが展示されていました。

 この後、車で少し離れた国指定重要文化財「岩科学校」を見学しました。

 明治初期に作られた学校で、日本では甲府の旧陸沢学校、松本の旧開智学校などに次ぐ古いものとして知られています。

 建設費の4割は町民の寄付により建設されたそうで、やはり当時は豊かで文化的な先進的な街だったということがわかります。

 これらの観光地はそれも「御朱印ウォーク」の対象となっていて、それぞれの御朱印をいただくことができます。

西伊豆経由で東京へ帰る

 この後、西伊豆を北上し、土肥から中伊豆に入り、伊豆縦貫道経由で東京に戻りました。

 土肥から中伊豆への道も、三年前から比べてかなり道路が整備されており、とても走りやすかったです。

 松崎町は遠いですが、観光地として見るべき歴史や自然があり、このように道も整備されましたので、一度足を伸ばしてゆっくり見て回ることをおすすめします。

 松崎町の観光スポット ~ 楽天たびノート

 

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www.gosyuinkikou.com

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